女のロマンを追い求めて

 

ずっと欲しかった
私だけの植物蒸留機ができました。

女のロマンだなぁ…

鞄や時計よりも「蒸留機が欲しい」なんて…

こんな女じゃ彼も困っちゃいますね
変態もいいところです。

 

 

でも、ずっと欲しかったわけです。
自分だけの大型蒸留機。

 

地元の鉄工所や工務店の皆さんが
本当に良い人ばかりで
困っていた私たちのために
炎天下の下で懸命に
作業をお手伝いして下さいました。

 

試験蒸留の時も
一緒に朝から晩まで付き合って下さり
宮崎の人の暖かさを感じました。

 

こういう現場で働く男性って素敵ですよね。
宮崎で結婚したくなりました。笑

 

 

ある時は宮崎に来ることが怖かった時もありました。

なかなか馴染めなくて
支援するどころか迷惑を掛けてばっかりで。
宮崎のあたりまえが分からなくて
ずっと迷子だったわけです。

 

でも「迷路には必ず出口はある」って事
忘れていた気がします。

 

迷ってもいい。
ゆっくりでも前に進めばいい。
泣いてる暇も凹んでる暇も無駄になるだけ。

毎日懸命に生きてさえいれば
必ず誰かと巡り会える —

 

 

 

〈工場〉と言うと男性がいないと動かせない
大きな機械が多いと思いますが

ORGANIC MOTHER HOUSE
〈植物調合美容研究所〉には

女性が容易に動かせる特注の機械ばかりです。

 

この蒸留機も女性だけで動かせるように
クレーンやカゴを付けて
出来る限りシステマチックに。

要は工程をシンプルにすれば良いわけで。

 

「あたりまえ」は変えられる。
そこに生きる人たちの思考柔軟性次第で。

 

今は一つ一つ図面や企画書を作り
地元の方々と一緒に
オリジナルの化粧品原料研究機械を企画しています。

 

 

都心で化粧品を売っていたセラピストが
宮崎に1000坪の土地と家を買って
まさかこんなことにまで精を費やすなんて…

 

ヒールでもスカートでも
私は人目も気にせず山の中を駆け抜けるし
必要とあらば
車を走らせて何処までも原料を探しに行きます。

 

女であることも、観られる仕事も
捨てたりしません。

それはそれ。これはこれ。

 

 

 

10年主婦をしてきた私にとって
夢にまでみた冒険のようで、毎日が楽しい。

困難もまた、経験値。

 

さて、明日からまた1週間。
今度は娘の夏休みを兼ねて宮崎へ。

今年の夏も、熱くなりそうです。

 

 

 

地方で「物作り」をする難しさ

 

宮崎の事業所で原料研究をして
より良い物作りをしようと没頭していると
「もっと素材そのもので勝負したい」
と感じようになります。

 

 

原料の質を上げ、製造過程をクリーンにし
どんどんストイックな工程を積んでいくと
不意に自分勝手な物作りであることに
気付くわけです。

 

都心の女性たちの声を聞くと、一目瞭然。

 

例えば、蒸留水ひとつ
研究所で素材から加工し化粧品原料に加工すると
「いい香りだし、このままで良い製品だ」
そう勝手に思い込んでしまう。

 

でも都心の女性達を前にすると
「物足りない」
「あまり香りがしない」
「もっと使いやすくしてほしい」ってなるわけで。

 

 

【良い製品】と言うのは
創った人達が勝手に
決められるものではないと知りました。

 

どこで売るのか。
誰がどんな風に使うか、で大きく変わっていく。

しかし伝えたい顧客の顔が見えなくなると
自分よがりな「良い製品」になっていく。

 

それが地方に籠れば籠るほど
都心のお客様の顔が
見えなくなり盲目になって
ハッと気づいて、軌道修正の繰り返しに。

 

 

作る側もお客様の顔が見えない
本当の良い製品からは
遠去かることを学んだのです。

 

 自分にとっての「良い」が
 必ずしもお客様の
「良い」ではないということ。

 

 

もっとこうしたら使いやすくなるよね。
もっとこう言うデザインなら買いたくなるよね。
こんな香りなら、こんなテクスチャーなら…

 

 

ORGANIC MOTHER LIFEには
こんなにも目利きのいいお客様が沢山います。

当の本人である私よりも良い感性で
オーガニック化粧品を使ってくれるから。

これからもお客様の顔を見ながら

化粧品を企画したい。

 

 

軌道修正を繰り返し
使ってほしい人達の想いや顔を忘れないように
東京と宮崎のデュアルライフは
きっとこれからも、続いていくんだろうな。

 

またひとつ、勉強になったはなし。

 

坂田まこと