アルギン酸は、コンブやワカメなどの海藻に特有の天然多糖類です。

人々の健康で豊かな暮らしづくりに欠かせない素材として、食品・医薬品・化粧品・繊維加工など幅広い分野で活用されています。

藻体中のアルギン酸は、海のミネラルと塩を形成し、ゆるやかなゼリー状態で細胞間隙を満たしています。海水中を揺らめく海藻のしなやかさは、アルギン酸の独特な物性によるものと言われています。乾燥藻体のうち30~60%を占めるアルギン酸は、「海藻の主成分」とも言える天然の食物繊維です。

アルギン酸は、ライフサイクルを終え海岸に漂着した海藻を原料に、自然エネルギーを最大限に活用する製法で抽出された「サステナブルな素材」として注目されています。

 

アルギン酸の原料である海藻(褐藻類)は生長力が旺盛で、中には全長60mに達する巨大海藻や、海底に直径2mもの付着器を這わせ、1日に何十cmも生長するような海藻もあります。
多種多様な大型海藻が世界中の海岸線に繁茂し、活発に光合成を行うとともに、多くの生物のすみかとして、あるいは栄養源として、様々な役割を担っています。

株式会社キミカでは、工業原料としての諸条件を満たす数種類の褐藻類を世界各地の海域から厳選し、多様なアルギン酸関連製品の安定供給体制を確立しています。
中でも南米チリに産するレッソニアという海藻は現存量が多く、代表的なアルギン酸原料海藻です。

海藻が生態系の中で果たしている役割を損なわぬよう、生きた個体を刈り取るのではなく、自然のライフサイクルを終え海岸に漂着した海藻のみを拾い集めるかたちで利用しています。